誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「するだろ。紗英と一緒にいる時、俺、気抜いたらすぐキスしたくなるから。」

「……あの、それ、気抜いてなくてもしてません?」

「ん。してる。」

ふふっと私は吹き出してしまった。

緊張なんて、してたのは私だけじゃなかった。

彼もまた、不器用に、私との距離を測っていたんだ。

私はそっと隣に腰を下ろす。

「上林さんに……子作りしろって言われましたよ。」

苦笑交じりにそう告げると、隼人さんは、ふっと口角を上げた。

「うん。俺もしたい。」

あまりにストレートな言葉に、鼓動が跳ねる。

「……隼人さん、それ、本気で言ってます?」

「本気じゃなかったら、こんな場所に来てない。」

その目は冗談じゃなかった。

あまりに真っ直ぐで、私は言葉を失った。
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