誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
隼人さんの情熱が私の中に入ってくる。

「ああ……」

熱い熱が私の中に広がる。

こんなにも熱くて、私を満たすものはない。

「忘れない。紗英と過ごす素敵な夜を。」

そして何度も重ねる唇。離れない体。

何度も何度も重なり合って。その度に隼人さんの熱を受け取った。


しばらくして、カーテンの隙間から、街灯の光が静かに差し込む。

ベッドの上、私は彼の腕の中にいた。

隼人さんの手が、そっと私の髪を撫でる。

その指先の温もりが、心にまで染み込んでいくようで、私は目を閉じた。

「……紗英」

名前を呼ばれただけで、胸がぎゅっとなった。

さっきまでの熱がまだ身体の奥に残っているのに、心の方がもっと騒がしい。

「こんなに誰かを大切に思ったの、初めてなんだ。」
< 196 / 291 >

この作品をシェア

pagetop