誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
低く落ち着いた声で、彼は続けた。

「仕事だって、遊びだって、全部うわべだった。でも……お前だけは、違う。」

私は顔を上げて、彼の瞳を見つめた。

その瞳の奥に、どこまでも深く、私だけが映っている気がした。

「……私もです。隼人さんに出会って、初めて……本当に愛されたって、思えた。」

涙が一粒、頬をつたう。

それを彼がそっと拭ってくれる。

その仕草さえ、愛しくてたまらない。

「これからも、ずっと一緒にいてほしい。」

彼の言葉は、約束ではない。願いでもない。

それは、すでに始まっている“未来”のようだった。

私は、彼の胸に顔を埋めた。

「……はい、どこにも行かない。あなたのそばにいます。」

しばらくの静寂の後、彼がふっと笑った。

そして、そっと私の額にキスを落とす。
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