誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
そっとキスされた鎖骨から、熱がじわじわと身体の奥に落ちていく。

ベッドのシーツの感触より、彼の手の温度の方がずっと確かだった。

「もっと……触れて。隼人さん……」

小さく呟いた私に、隼人さんは驚いたような、でも嬉しそうな顔をした。

「もう、我慢しない。たっぷり愛してあげる。」

ゆっくりと身体を重ねてくる彼。

ひとつひとつの動きが丁寧で、まるで私の全てを知ろうとするみたいだった。

「紗英、気持ちいい?」

「……うん。すごく……」

「嬉しい。もっと感じて……君を感じたい、もっと……深く……」

熱く、濃密に満たされる。

指先から背中、脚の先まで、彼の愛に包まれている。

欲しかったのは、こういう愛し方だった。

ただ抱かれるだけじゃない、心まで重なる夜。
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