誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
美羽さんの声は、笑っているのに鋭かった。

私は手のひらにじっとりと汗を感じながら、その場から動けなかった。

(私、見てちゃいけない)

そう思いながらも、耳が離れない。

「……そういうこと、軽々しく言うなよ。」

隼人さんの声が低く響いた。

「彼女のこと、本当に大切にしてる。」

「ふうん。じゃあ、なぜ抱いてあげないの?」

美羽さんの声音には、どこか意地悪な棘が潜んでいた。

隼人さんは、その問いにしばらく黙っていた。

それから、まるで誰かに誓うように、真っすぐな声で答えた。

「彼女とは……セックスだけの関係じゃないよ。」

思いがけない真面目な返答に、美羽さんが目を丸くする。

「眠ってるとき、俺がソファでうとうとしてるとさ、タオルケットかけてくれるんだ。 そっと、優しく……何も言わずに。」
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