誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「ホテルに行ったのよ。隼人と二人で。」

美羽さんは、わざとらしく指でマグカップの縁をなぞりながら、さらりと爆弾のような言葉を放った。

「キスされて、欲情してたの。だから、終わりまでしてあげたの。」

「……それって……」

私は喉が渇いて何も言えなくなった。

美羽さんはわざと溜めてから、にやりと笑った。

「ああ、体は使ってないわよ。」

まるで、“性処理だけはしてあげた”とでも言うような、冷たい言い方だった。

その言葉が頭の中をぐるぐると回る。

思い出してしまった。

あの瑞樹ちゃんの件。

そういえば――あのときも、隼人さんは“自分からじゃない”と曖昧に言っていた。

「隼人ねえ。誰にでも優しいから。」

美羽さんは笑いながら続けた。

「困ってる女の子には、断れないタイプなのよ。」
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