誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「行かないでくれ、紗英……俺には、お前しかいないんだ……」

その声に、心が揺らぐ。

胸の奥の、まだ消えていない想いが、静かに疼いた。

「その言葉、信じたかった。」

唇が震える。心だって、揺れている。

本当は——私だって、この人を、何よりも強く、信じていた。信じたかった。

「信じてくれ。」

隼人さんの声は、まるで懇願するようだった。

「でも……もう信じない。」

静かに、だけど確かに言い切ると、彼の瞳が揺れた。

「紗英!」

その声に、かつての愛がにじんでいた。だけど、もう遅い。

「あなたは……まだ、他の女で欲求を満たしていく。」

その瞬間だった。隼人さんの顔つきが変わった。部長としての仮面を被ったように、冷たい目で私を見下ろす。

「欲求を満たして、何が悪い。」

思わず後ずさった。こんな言葉を、あの人の口から聞くとは思わなかった。

「……私は、男性のはけ口にはなりません!」
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