誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「またそんな……」

照れ隠しに笑おうとしたけれど、その瞳の真剣さに、冗談じゃないことがすぐに分かった。

「ずっと、好きだった。本当に。」

彼の瞳にはうっすらと涙がにじんでいて、私の胸の奥がぎゅっと締め付けられた。

こんなに大切に想ってくれていた人が、すぐそばにいたんだ――。

「大切にしてください。」

小さくそう告げると、彼は強くうなずいた。

「ああ。そのつもりだよ。これからも、ずっと。」

私たちは自然と手を取り合い、そのまま寄り添うようにお酒を飲んだ。

心地よい酔いと、一条さんの温もりに包まれて、外の冷たい空気さえ優しく感じる。

お店を出たあと、一条さんは何も言わずに私の手を引いた。

着いた先は、駅前のホテルだった。

「部屋、取ってある。無理には誘わないよ。ただ……今日は帰したくない。」

その言葉が、今の私にはとても嬉しかった。

私は黙ってうなずき、一条さんと一緒に、静かにその扉を開けた。
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