誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「神に誓ってくれる?」

「え?」

「ずっと俺の側にいてくれるって。」

私は迷いなく頷いた。

「当たり前じゃない。」

その言葉に、隼人さんはふっと柔らかく微笑んだ。

「なんだか夢みたいだ。」

その声には、穏やかな感動が滲んでいた。

「こんなに本気になった人は、今までいなかった。紗英、一人なんだ。」

その言葉に、胸がいっぱいになる。

私は、静かに手を握り返した。

「私も、一人だよ。ずっと、隼人さんだけ。」

永遠の始まりを告げる扉が、そっと開かれようとしていた。

オルガンの音が静かに流れはじめ、チャペルの大扉がゆっくりと開かれる。

真っ白な光が差し込む中、私は父の腕にそっと手を添えた。

「行っておいで。」

少し照れたように微笑む父と一緒に、私は一歩一歩、祭壇へと歩き出す。

バージンロードを進むたび、胸がいっぱいになる。

隼人さんのもとへ、確実に向かっているこの瞬間が、愛しい。
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