男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
男装聖女と騎士団長の秘密 3
「私の夢は、今も見てるのか?」
ラディスの腕の中で訊く。
だとしたら結構恥ずかしいと思ったのだ。
昔から見ていたという夢も、よく考えると大分恥ずかしいけれど。
(一体どんなところを見られてたんだ……?)
「いや、お前がこの世界に現れてからは、ぱったりと見なくなったな」
「そっか」
それを聞いてちょっとホッとする。
「不思議だな。やっぱ聖女の血をひいてるのかな……あ。ならラディスにも何か奇跡の力があるんじゃないのか?」
だがラディスは首を振った。
「そんな力があったらとっくに気づいてる」
「そりゃそっか」
「が、不可解なことは他にもある」
「え?」
「お前がトーラの姿で初めて俺の前に現れたときだ。男に変身したお前を見て、しかしすぐに藤花だとわかった」
「!」
それは私もずっと不思議に思っていたことだ。
ザフィーリの件もあるし多少は似ているのかもしれないが、まず性別が違うのによくわかったなと。
「それともうひとつ。……や、これはいい」
「は?」