男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される
「そこ、赤くなってる」
「え? ……っ!?」
イリアスの言わんとしてることがわかってしまって、私は慌ててそこを手で隠した。
「じゃあ、先行ってっから」
イリアスはそう言い残してそそくさと階段を下りて行ってしまった。
「~~っ!」
私は急いで一度部屋に戻り、首元を鏡に映した。
思った通り、そこには昨夜ラディスにつけられた痕……キスマークがくっきりとついていた。
(あいつ~~っ)
最っ悪だ。
イリアスに、ラディスとそういうことをしていると思われた。確実に。
事実ではあるが、それをイリアスに知られたことがめちゃくちゃ恥ずかしかった。
(こ、こんなとこにも!)
他にもいくつか見つけたそれを、私は一度藤花に戻って聖女の力できれいさっぱり消し去った。
(あとで絶対に文句言ってやる!)


