男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される

男装聖女と親友 3


「――な、なんでだよ!」

 思わず大きな声が出てしまった。
 だって、まさかイリアスからその話が出るなんて思わなかった。

「なんでって……」

 イリアスが寝転んだまま、こちらに視線を向ける。

「騎士になると一人部屋に移れんだよ」
「そんなの知ってる! そうじゃなくて……」

 ギュッと膝の上で拳を握っていると、イリアスは笑った。

「実はずっと迷ってたんだ。お前だって一人部屋の方が気楽でいいだろ? ほら、俺いびき煩ぇし」
「そんなの今更だろ!」

 だって、私の方から言うはずだったのに。
 ……いや、本当は言いたくなんてなかった。
 なのに。

「親友だって、言ったのに」

 つい数日前、女だとわかってもこれまで通り親友だと言ってくれて涙が出るほど嬉しかったのに。

「よっ」とイリアスは起き上がった。
 そして俯く私を覗き込むようにして言った。

「部屋が別になったって親友は親友だろ?」
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