私の中にあるモノ
では、別のキャラクターの解説に移りましょう。

まずは竜人仲間、その1。

此代ムノウ。

名前の由来は「無能」ですね。…全然無能ではない、むしろ有能な子でしたが。

彼は元々、そんなに登場する機会はなかったんですが。

気がついたら、ムリカちゃんの一番の友達、みたいなポジションに昇格してますね。

彼は自分の竜人としての運命を、「こう生まれたんだから仕方ない」と思っています。

この達観したと言うか、割り切った考え方、嫌いじゃないです。

何が悪い、誰が悪いって問題じゃないですよね。自分の生まれなんて、自分では変えられないものですから。

ムライカちゃんみたいに、諦めたくない、生きたい、と最期まで足掻くのも、勿論間違ってはいません。

が、このムノウ君みたいに、割り切った考え方をするのも、また間違ってはいないんですよね。

竜人ごとに各々考え方が違うの、竜人だけど人間っぽくて、好きです。

ムノウ君は事あるごとにムリカちゃんと絡んでくれて、物語を円滑に進めてくれるという、

作者にとって、素晴らしい活躍を見せてくれました。

ありがとう此代君。君の働きにはとても感謝している。

エピローグでさらっと書いたように、ムリカちゃんが『竜の心臓』を抱いて湖に身を投げた後。

新たな竜人が生まれなくなったせいで、竜人計画は頓挫してしまいましたが。

今存在している竜人、つまり此代君とか、ムメイちゃんとかの竜人達は、竜人研究所で寿命をまっとうしました。

多分、彼も20歳前後で亡くなったものと考えられます。

果たして何を考えてたんでしょうね、此代君は。

死の間際、自分の運命を思い、死んでいった仲間達のことを思い、そして湖に身を投げたムリカちゃんを思い…。

彼の最期の瞬間は…多分だけど、「あぁ、やっと楽になれるなぁ」と、安心して、目を閉じたんじゃないかな。

そうであって欲しいですね。




そんな此代君とは対照的に、自分の死の運命を受け入れず…。

と言うか、受け入れたくなくて、最期まで足掻き続けたのが、近江ムライカちゃんです。

名前は「無頼漢」が由来です。ぶらいかん、じゃなくてムライカって読んでね。

相当気に入ってる名前ですね。

彼女は…もうちょっと出番をあげたかったんだが、ほぼ此代君に取られちゃったな…。

だけど、彼女の最初にして最後の見せ場。

病室で、ムリカちゃんに泣きつきながら「死にたくない」と訴えた、あのシーン。

あれが多分、今作で一番重い…良いシーンだったと思います。

重くて良いシーン…。略して「おもいい」シーンでしたね。

なんてつまらないことを言ってるんだ。

でも、ムライカちゃんのあの台詞に、竜人という悲しい運命を背負った、彼女達の想いの全てが現れているように思います。

死にたくないって思い続けて、一生懸命頑張ってきたんですもんね。

せめて最期の瞬間くらいは、安らかな気持ちで眠ってくれたことを願っています。

あと、何回も言うけど名前が好き。

それから、台詞が逐一ツンデレっぽくて好きだった。




それから…次は武藤くん。

武藤ムカチ君。名前は「無価値」が由来ですね。

それから芦田ムガクちゃんと、立葉ムダナちゃん。

こちらはそれぞれ、「無学」と「無駄な」が由来です。

脱走三人衆ですねり

まぁ、脱走したのは六人衆なんですが。

なんとか研究所とかいうテーマだと、脱走ネタってあるあるだと思いますが。

その脱走が失敗に終わる、っていうのもあるあるですよね。

実際、武藤くん達も失敗しています。

竜人研究所、ひいては、自分の運命を受け入れるでも、諦めるでもなく、逃げる。

これもまた、一つの在り方として間違っていないと思います。

少なくとも武藤くん達にとっては、逃げずに研究所で寿命を迎えて死ぬよりは。

逃げ出して、ヘリコプターを撃墜されて湖に沈んで死ぬ方が、本当だったと思います。

どっちみち死の運命が避けられないなら、せめて希望を抱いて死にたいですよね。

死に方を選ぶ権利くらいあるでしょう。彼らにも。

…とはいえ、それにしたって、ヘリを強奪して飛んで逃げる、って。

もうちょっと格好良い、スマートな脱出法はなかったのだろうか。

シンプルイズベストってことですよ。



さてお次は…最期にちらっと出てきた、東野ムメイちゃん。

名前の由来は「無名」ですね。「無銘」でも良いですが。

ムダナちゃんに継ぐロリっ子枠ですが、目が一つしかなく、しかも、彼女も寿命で10年後くらいには死んでます。

…ロリに優しい世界はないのか…?



さて、竜人サイドは以上です。

お次は、職員サイド。

フルネームが登場していない、山口教授。年齢不詳。

この人は、私の夢の中に出てきた人です。

名前も山口、って呼ばれてたので、そのまま使わせてもらいました。

なかなかヘイトを買ってますね、この人は。

研究者としては非常に優秀ですが、人間としては、何か大事なものを欠如しているような気がします。

でも、だからこそ彼は竜人研究の第一人者として活躍出来たのでしょう。

そもそも彼がいなければ、ムリカちゃん達はこの世に生まれなかった訳で…。

20歳前後で寿命を迎えるとはいえ、短い寿命の中でも、ちゃんと責任持って面倒見てあげてますから。

あながち、悪い扱いではなかったのかなぁ…。…とも思いますが。

サイコパス…ってほどでもない。でも、決して優しい人とは言えない。そんな人でしたね。

最終的には、生体認証ロックを解除する為に、ムリカちゃんに腕を切断され、失血死しました。

悲惨な死…と言えるんでしょうかね。

先に死んでしまった竜人達にとっては、「こんな死に方では生温い」と思ってるかもしれませんが。

本人は一応、「許されないことをしている」という自覚はあるようで。

自分は死後、地獄へ行くであろうことも分かっています。

それどころか、地獄へ行けば、死んだ竜人達に会わずに済む、延々と恨み言を言われずに済む、と軽く考えていそうです。

マッドサイエンティストな彼にとっては、自分が研究対象に殺されることさえ、研究の一つの成果なのです。

情けなく命乞いしない辺りは、なかなか潔い、あっぱれな最期だったな。

従って、ムリカちゃんに殺されたことも、本人にとっては、非常に満足だったと思います。

あばよ山口。地獄でも達者でな。



で、そんな山口教授の片棒を担ぐ…と言いますか。

彼の右腕として働いていたのが、篠森さんです。

こちらも苗字だけで、名前無し。

この人は、山口教授ほどマッドではありませんが。

山口教授を尊敬している辺り、マッドの素養がありますね。

そもそも、竜人研究所なんて場所で働いている時点で、まともな神経をした職員は、一人もいなさそう。

やってることは、完全に人体実験ですもんね…。頭のネジが1つ2つ狂ってないと、こんなことは出来ませんよ。

書きたいことは全部書いたつもりですが、唯一心残りがあるとすれば。

この研究所の所長とか、山口教授以外の別の研究者とか、もう少し研究所サイドの登場人物を出してあげたかったですね。

…まぁ、それでもやっぱり、まともな人はいなさそうですが。
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