私の中にあるモノ
そっか…。それが、此代の考えか。
「此代は…。…強いね」
「別に強かねーよ。自分はただ、自分の運命を諦めてるだけだ。こう生まれたんだから仕方ない、他にどうしようもないって、自分に言い聞かせて…」
「ううん…。それだけでも充分、強いよ」
私にはまだ、到底そんなこと考えられそうにない。
迫りくる寿命に、死の運命に、自分の中でちゃんと折り合いをつけて。
少しでも恐怖を和らげ、何とか日々を生きていこうとしている。
それは私にはない、此代の強さだ。
…しかし。
「自分は、むとっくん達の方がよっぽど強いと思うよ」
「武藤くんが…?」
「だって、逃げ出そうとする強さがあるんだから。自分の運命に抗おうとする、その強さがある」
…成程、確かに。
逃げ出す強さ。運命に抗う強さ。
…いずれも、私にはなかった強さだ。
彼らは、その強さを全うして…そして、散っていった。
なんと尊く、美しいことか。
正しく、高貴な竜の血族に相応しい最期だった。
誰が何と言おうとも。何と思おうとも。
彼らの強さを、否定することは誰にも出来ない。
「羨ましいよな…。果たして自分の死が迫った時、同じことが出来るかどうか…」
「…出来なかったとしても、此代が強いことに変わりはないよ」
「おだてるのが上手いな、みなっちゃんは…。…昔からそうだったけど」
そうなの?
「私、いつの間にか、記憶を失う前の私に戻ってる?」
「そうなのかもな…。…記憶がないなら言うまいと思ってたけど、今のみなっちゃんになら…むしろ、ちゃんと伝えておくべきなのかもしれないな」
…え?
此代は、唐突に真面目な表情で、私の両目をじっと見つめた。
そして、私にこう頼んできた。
「…みなっちゃん。近いうちに…出来れば今日か明日にでも、3階の病棟フロアに行ってみてくれないか」
「…どういうこと?どうして?」
「…会ってやって欲しいんだ。最期に…」
真剣な表情の此代が、私に教えてくれたこと。
それは、また一人、私達の仲間の最期が近づいているという知らせだった。
「此代は…。…強いね」
「別に強かねーよ。自分はただ、自分の運命を諦めてるだけだ。こう生まれたんだから仕方ない、他にどうしようもないって、自分に言い聞かせて…」
「ううん…。それだけでも充分、強いよ」
私にはまだ、到底そんなこと考えられそうにない。
迫りくる寿命に、死の運命に、自分の中でちゃんと折り合いをつけて。
少しでも恐怖を和らげ、何とか日々を生きていこうとしている。
それは私にはない、此代の強さだ。
…しかし。
「自分は、むとっくん達の方がよっぽど強いと思うよ」
「武藤くんが…?」
「だって、逃げ出そうとする強さがあるんだから。自分の運命に抗おうとする、その強さがある」
…成程、確かに。
逃げ出す強さ。運命に抗う強さ。
…いずれも、私にはなかった強さだ。
彼らは、その強さを全うして…そして、散っていった。
なんと尊く、美しいことか。
正しく、高貴な竜の血族に相応しい最期だった。
誰が何と言おうとも。何と思おうとも。
彼らの強さを、否定することは誰にも出来ない。
「羨ましいよな…。果たして自分の死が迫った時、同じことが出来るかどうか…」
「…出来なかったとしても、此代が強いことに変わりはないよ」
「おだてるのが上手いな、みなっちゃんは…。…昔からそうだったけど」
そうなの?
「私、いつの間にか、記憶を失う前の私に戻ってる?」
「そうなのかもな…。…記憶がないなら言うまいと思ってたけど、今のみなっちゃんになら…むしろ、ちゃんと伝えておくべきなのかもしれないな」
…え?
此代は、唐突に真面目な表情で、私の両目をじっと見つめた。
そして、私にこう頼んできた。
「…みなっちゃん。近いうちに…出来れば今日か明日にでも、3階の病棟フロアに行ってみてくれないか」
「…どういうこと?どうして?」
「…会ってやって欲しいんだ。最期に…」
真剣な表情の此代が、私に教えてくれたこと。
それは、また一人、私達の仲間の最期が近づいているという知らせだった。