聖女の愛した花園
何かとさゆりと張り合いたがる蘭華は妹自慢もしたいようだ。確かに蘭華の妹・流奈はなかなか行動力のある子だった。ゴーイングマイウェイな蘭華との相性はピッタリだった。二人を見ていると自分の思うがままに行動できるところが羨ましい。
「蘭華は良い寮長になるね」
「当然よ。でも私一人じゃ足りないのよ」
蘭華がそんな風に言うとは意外だった。
「だから渚、あなたに副寮長になって欲しいの」
「私が?」
「ええ、あなたはいつも冷静で理知的だもの。渚がいてくれたら心強いわ」
蘭華はプライドが高いところもあるけれど、流奈にしても身内には甘いところがある。そして惜しみなく愛情を注ぎ、信頼できるところは素直に尊敬していた。
「わかった、蘭華が寮長に当選したら副寮長に立候補するよ」
「あら私が当選しないと思ってるの?」
「まさか」
宣言通り蘭華は信任投票で過半数を獲得し、黒薔薇寮長に当選した。私も副寮長になった。他人とは一歩距離を置きたいと思っていた自分が幹部になるなんて、リリスに入学した当初は思ってもみなかった。
「渚は副寮長になったのね」
「まあね」
「これからは部活だけでなく、幹部会でも一緒ね」
さゆりは私に向かって優しく微笑む。全生徒憧れのマドンナに微笑まれると、流石にドキッとしてしまう。
「こちらでもよろしくね」
「こちらこそ」