聖女の愛した花園
私は小学生の頃、陰湿ないじめを受けていました。クラスメイトたちから無視され、物を隠されたり壊されたりしました。登校したら自分の席がなかったこともありました。
地元の子たちと同じ中学校に行きたくなくて、私立聖リリス女学院中等部を受験しました。いじめはありませんでしたが、毎日息苦しい日々でした。リリスに通う生徒は皆名家の令嬢ばかり。破産寸前の乙木家具の娘なんてこの学院では落ちこぼれです。セレブな同級生たちの会話についていけず、孤立していました。
まるで自分は透明人間のようでした。両親があんなことになってから周囲は私を腫れ物のように扱います。先生ですらどう接していいかわからず、気まずそうに私を見ておりました。
ミッション系スクールのリリスでは毎日礼拝の時間があり、聖書を読む授業もあります。神を信ずれば救われるなんて教えるくせに、実際は誰も私を助けてくれない。救いがあるなんて大嘘です。だってこの先両親が目覚めるかどうかわからないのですから。どこにいても透明人間で独りぼっち。この先、生きていても救いはない。
私は誰もいない屋上で一人佇んでいました。ここから飛び降りてしまえば楽になれるでしょうか。私一人いなくなったところで世界は何も変わらない。いてもいなくてもどちらでもいい存在なのです。