聖女の愛した花園


 さゆりさまに友達と言っていただけたことを嬉しく思う反面、自分だけではないということを今更ながらに痛感しました。笠吹さんが言ったように、さゆりさまと本気でお友達になれるだなんて思っておりません。だってさゆりさまは女神様なのですから。でも、さゆりさまが私をお友達だと思ってくださることが何より嬉しかったのです。

 けれど完璧な聖女であるさゆりさまの周りには、たくさんの人が集まります。私の知らないさゆりさまを知る笠吹さんはもちろんのこと、さゆりさまと同じ弓道部の姫宮さんともよくお話されていました。お二人ともさゆりさまと並ぶとお似合いでした。

 西洋美人の笠吹さん、和風美人の姫宮さんは正反対のお顔立ちでしたが、完璧すぎるさゆりさまの美しさを前にしても霞むことはありません。それに比べてそばかすの目立つ私の顔はなんて醜いのでしょう。

 私のような者はさゆりさまのお隣にいさせていただけるだけで有難いのに、卑しくも嫉妬してしまいました。さゆりさまがいなければ私は生きていけない。過呼吸になりそうになった時、さゆりさまの言葉を思い出します。

「佳乃子は私の親友よ」

 親友、一番のお友達。そう、さゆりさまにとって私は一番――自分に言い聞かせて優越感に浸り、心の平穏を保つのでした。

「ご両親のご様子はいかが?」
「相変わらずでした」

 両親は今も昏睡状態でした。医師によればいつかは目が覚めるとのことでしたが。


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