聖女の愛した花園
姫宮さんは弓道部の二大エースとしてさゆりさまの相棒だと囁かれる声もありましたが、所詮は部活動中だけのこと。お二人が弓道以外の話をしているところを見たことがなかったですし、部員で幹部生という関係性以上のことはなさそうです。
ですが、二年に進級して私を脅かす存在が現れました。一学年下の透さんです。彼女はさゆりさまと姉妹の契りを結んだ妹となりました。
リリスのシスター制度はほとんど廃れた制度であるものの、実際姉妹となった二人は強い絆で結ばれます。さゆりさまにもお姉さまがいらっしゃいましたが、さゆりさまとは二学年離れていたので実際に姉妹だったのは一年程。大きく心を乱すような存在ではありませんでした。
でも透さんは違います、これから卒業するまでの二年を姉妹として過ごすのです。透さんはさゆりさまのことを熱烈に慕い、さゆりさまもまた妹を可愛がっておいででした。それがどんなに羨ましいことか。
「お姉さま! 次の外出許可日に一緒にこのカフェに行ってみませんか?」
「あら、かわいらしいわね。初めて見たわ」
「韓国でバズってるカフェが日本でも出店したそうなんです! 今JKの間で大人気で……ああでも、お姉さまはこんなところには行きませんよね」
「いいえ、行ってみたい。とても楽しそう」
「本当ですか! やったぁ!」