聖女の愛した花園
「蘭華、さゆちゃんのこと大好きだから!」
屈託なく笑った蘭華を見て驚いた。好きになって欲しい、って自分から言ってもいいことだったの?
「大好きよ、蘭ちゃんのこと」
「えへへ、嬉しい」
本当に嬉しそうにはにかむ蘭華がとてもかわいかった。相変わらずあまりよくわかっていなかったけれど、それでも私なりに蘭華を好きになりたいと思っていた。彼女のことを愛したいと思った。
残念ながらリリスに入って蘭華とは寮が分かれてしまったけれど、佳乃子と出会った。佳乃子はいつも独りぼっちで常に周りを気にしている子だった。そんな姿が自分に似ている、と思った。
蘭華と出会う前はずっと独りぼっちで、常に周囲の顔色を窺ってしまう私と似ている。何となくそう感じていたから彼女と話してみたいと思っていたら、偶然彼女が屋上から飛び降りようとしているところを目撃してしまった。私は慌てて屋上に駆け上がり、佳乃子の腕を強く引っ張った。
「何故死なせてくださらないのですか?」
助けた私に対し、佳乃子は大粒の涙を流しながら訊ねた。
「どうせ私のことなんか、誰も気に留めないのに……っ」
泣きじゃくる佳乃子を見て、やっぱり私と似ていると思った。私もそう、誰かに嫌われるのが怖くて誰かの理想になろうとしている。そうじゃないと誰にも見向きもされないと思ってしまうから。
「そんなこと言わないで。あなたがいなくなったら私が悲しい」