聖女の愛した花園


 それに何故か、流奈のことを他人だと思えない瞬間があった。具体的な根拠はない、何故か何となくそう感じる瞬間が何度かあるのだ。私はこの違和感の正体が知りたくて、流奈のことを調べた。白雪の情報網を使えば造作もなかった、彼女の母親・筒見礼奈はかつて父の秘書だったのだ。そして、礼奈は後に秘書を解雇されていた。

 私はピンときて、お茶会を開いた。幹部同士の親睦を深めるお茶会で、いずれ幹部となる二人も是非とまだ一年生だった透と流奈も招いて美味しい紅茶とケーキを振る舞った。洗う手間を省くためとフォークと皿は使い捨てのものを用意した。

「使い捨て? こんなものがあるの?」

 蘭華は怪訝そうに言った。いつも高級な食器ばかり使っている蘭華には物珍しいのだろう。

「ええ、そうみたい。バラの花柄がかわいくて使ってみたかったの」
「お姉さまったら。お可愛らしい一面もあるのですね」
「ふふ、珍しくて思わずね」

 ――本当は、捨てずにさりげなく指紋や唾液を摂取するためだけれど。
 私は片付けるフリをしてさりげなく流奈の使っていたフォークと皿だけ回収した。実家に帰った時にこっそり父の部屋に忍び込んで髪の毛を拾い、DNA鑑定に出した。結果は思った通り、流奈の父親は私の父・白雪正邦だった。つまり流奈は私の腹違いの妹ということになる。

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