聖女の愛した花園
「ねぇ浬、この子が無事に生まれて浬も卒業したらどこかに遊びに行きたいわ」
「どこかって?」
「どこでもいいの。私たち外でデートしたことないでしょ?」
「そうだね。お弁当作ってのんびりピクニックとか楽しそう」
「お弁当? 浬作れるの?」
「一応ね。あんまり上手くないけど」
「すごいわ!」
「じゃあ三人分頑張って作ろうかな」
三人分。そう言ってくれたことが嬉しくて、ぎゅっと腕にしがみついた。
浬とこうして一緒にいる時はすごく安心できるけれど、一人になると途端に不安に押し潰されそうになる。愛を知らない私が、生まれてくる子のことを愛せるのか。私は母親になれるのか。
浬とずっと一緒にいたい気持ちは嘘じゃないし彼の子を産みたいと思った気持ちも嘘じゃないけど、日に日に膨らんでいくお腹を見ていると本当にこれで良かったのか考えてしまう。成人が十八歳に引き上げられたけれど、私たちはまだまだ子どもなのだ。