聖女の愛した花園
それに浬が本当に私を愛してくれているのか、実のところ今もわからない。何度「好きだよ」とか「愛してる」って囁かれて、その度にすごく幸せな気持ちになるのにその言葉を信じ切れていない自分がいる。
浬が愛しているのは私じゃなく、お腹の子なんじゃないかって――そう思う気持ちが未だに消えない。そして私も浬のことを愛していると言ったことはない。こんな私が母親になってもいいのだろうか。こんな葛藤をし続けていても、もう後戻りはできないというのに。
*
私はいよいよ臨月を迎えた。お腹の子の性別はわからない。浬に赤ちゃんの性別について何か言われたことはない。女の子が産まれると信じているのだろうか。
男の子だったらどうするのだろう。捨てられてしまうのだろうか――。
こんなことを考えてしまうのは、マタニティブルーだからかもしれない。あまり気落ちしていると胎教に悪いだろうから気分転換したい。
そう思っていた時、ふと気になったのが佳乃子のことだった。佳乃子は元気にしているだろうか。ご両親の様子は大丈夫だろうか。佳乃子の傍にいたいと言ったのに、その約束は守れそうにない。
「佳乃子には、本当のことを話してみようかしら」