聖女の愛した花園
さゆりお姉さまに直接頼まれて断る理由などない。これは私に課せられた試練なのだと思い、さゆりお姉さまに会えない寂しさに浸るのではなく次期寮長として学院のために奔走した。
佳乃子さまに無理をしているのではないかと心配されたけれど、忙しいくらいがちょうどいい。だってその方が余計なことを考えずに済むから。何度訪ねてもお姉さまが会ってくださらず、悲しくて泣きそうにもなったけれどこれは乗り越えるべき壁なのだと何度も自分に言い聞かせた。
半年が過ぎても、お姉さまの体調は良くならなかった。それどころか、今は自室から全く出ていないらしい。佳乃子さまによると、メイドが一人お姉さまの部屋を出入りして身の回りの世話をしているようだけれど、それ以外には誰もお姉さまと会っていないのだそう。
その間、学院は静かだった。
「どうか、さゆりさまのお身体が良くなりますように」
佳乃子さまは毎日マリア様に手を合わせ、さゆりお姉さまのご快復をお祈りしている。
「さゆりさんがいないと、張り合いがないわ」