聖女の愛した花園
さゆりお姉さまのことが大好きで尊敬していた。お姉さまのことは何でも知っていると思っていたけれど、本当はお姉さまの毛ほども理解できていなかった。それが悔しくて悲しくてたまらない。しばらく二人の間に寂寥の静けさが漂っていた。
「この前ね、留置所までお姉さまに会いに行って来たの」
鼻を啜りながら筒見さんはいう。
「お元気だった?」
「ええ、意外にもお元気そうで安心した。色々話をしたけれど、お姉さまは私のことを心配してくださるの。私の気持ちに気づけなくてごめんなさいだとか、体は壊してないかとか……私のことばかり気にしてくださるの」
再び筒見さんの瞳に涙が溢れ出る。
「本当にお優しくて……」
「うん、流石は笠吹さまね」
私は彼女の背中をさする。
「そんなお姉さまが必死に救ったあの子を……あの子の未来を守りたいと思った」
筒見さんはずっと苦しんでいた。さゆりお姉さまを憎まずにはいられなくて、でも笠吹さまと出会って本当の姉妹のように絆を育み救われたのだと思う。
「蘭華お姉さまは渚さまのことを許すと言っていたわ」
「そうなの?」