聖女の愛した花園
「正直性別もわからなかったからさゆりと顔を見て決めようって話してて、ノープランだった」
「私が考えましょうか?」
「あまりに決まらなかったらお願いしようかな」
「任せてください」
私は大袈裟に胸を張る。
「それと、佳乃子のことだけど」
その名前が出ると少しだけ空気が張り詰める。
「昏睡状態にあったご両親が目を覚ましたらしい」
「えっ」
「これから治療を続けていけば退院できるって。会えないのが残念だね」
「そうですね……」
神様は残酷なことをするものだと思った。何年も昏睡状態にあってようやく目覚めたのに、親子の再会が叶うことはない。
「透は佳乃子のことどう思ってる?」
「許せないですよ」
私はきっぱりと言った。
「一生許せないと思います」
「……そうだね」
「でも、不幸になって欲しいとか地獄に堕ちて欲しいとは思いません。しっかり罪を償って生きるべきだと思います」
この罪と向き合い、背負って生きていくことが彼女の使命だと思う。
「……うん、僕もそう思う。佳乃子のしたことは許されないけど、罪を償って前を向いて欲しいなって思う」
「……はい」