聖女の愛した花園
私はPCをシャットダウンする前にあるフォルダを開く。フォルダの中にはたくさんの写真が保存されている。そのどれもがさゆりお姉さまの写真だ。中等部の頃の初々しいお姉さまの姿もあって、とても懐かしい。
これはお姉さまが寮長として初めて登壇された時の写真。私もお姉さまのように堂々としたスピーチができるだろうか。
「見ていてくださいね、さゆりお姉さま。透はお姉さまのような立派な寮長になります」
視線がずれている写真ばかりが保存されたフォルダを閉じ、PCをシャットダウンした。私は再度鏡の前で身なりを整えてから、部屋を出る。
「お姉さま、大丈夫ですか?」
「もちろんよ」
「私も楽しみにしています」
「ええ、ちゃんと見ていて」
彼女に向かってニッコリと微笑むと、頬を赤らめる。
私は深呼吸をしてからスピーチ会場となる体育館へと向かった。穏やかに吹き抜ける風が、私たちの未来を後押ししてくれているように感じられた。
fin.


