聖女の愛した花園


 一年生二人は顔を見合わせ、不安そうに俯く。そんな二人の様子を見て私はひらめいた。

「それなら私がその猫を探しましょう」
「えっ、透さまが? でも透さまもこれから課外授業ですよね?」
「私は訳あって寮に残るつもりだったの。先生にも了承いただいているから大丈夫」

 本当は嘘だが。

「それに生徒が困っているところを見過ごすわけにはいかない。私は寮長の妹ですもの」
「本当によろしいのですか?」
「ええ、任せて」

 私が胸を張って見せると、一年生は嬉しそうにぱっと表情を明るくさせた。

「ありがとうございます!」

 二人は何度もお礼を言い、猫の特徴を細かく教えてくれた。まるまるとした三毛猫で尻尾が短いらしい。スマホで撮った写真も見せてくれた。

「本当にありがとうございます。よろしくお願いします」

 こうして私は迷い猫探しという寮に残る大義名分を得たのだった。

 十四時には皆出払ってしまい、ガランと静まり返っている。先生は何人か残っている人もいるが、ほとんどは引率のため生徒とともに出てしまっている。

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