聖女の愛した花園
焦げて真っ黒になっているが、端っこを見るに恐らく元の色は白だと思われる。これはもしかして、制服のリボンの切れ端だろうか?
何故そんなものが燃やされていたのだろう。
「――って、こんなことしてる場合じゃない。にゃんこ、にゃんこっと」
何となくそれをポケットに突っ込んで猫探しを再開する。礼拝堂の前を通りかかった時、アーンという甲高い子猫のような声が聞こえた。
私はハッとして、すぐに礼拝堂の中に入った。中に入ると子猫の声はより一層大きくなる。逃げられないように忍び足になりながら、慎重に鳴き声が響く方へと近づいていく。
どうやらマリア像の近くにいるらしい。そろそろとマリア像まで近づいてみたが、猫の姿はない。だが鳴き声は聞こえている。私は少し考え、ある推察をした。
このマリア像の下には、床下が外れて収納スペースが存在している。何故こんなところに床下収納があるのかわからないけれど、「神聖な場所にこそ秘密を隠したくなるものじゃない?」と微笑んださゆりお姉さまが美しかったのでそういうことだと思った。