聖女の愛した花園
どうしてそうなったかはわからないが、猫がこの辺りをウロウロしていた時何らかの弾みで床下に閉じ込められてしまったのではないだろうか?
大いにあり得ると思い、私はすぐに収納スペースを開いた。特に鍵などはないので、蓋を開ける要領で簡単に開けることができる。だが、そこにいたのは猫ではなかった。
「え…………?」
あまりの衝撃に思わず息を呑んだ。幻か、悪い夢でも見ているのではないかと思った。流石の私も理解するのに時間がかかる。いや、これは最早理解の範疇を超えている。
「ど、どうして……?」
床下にいたのは猫ではなかった。猫だと思っていた声は、なんと赤ん坊の鳴き声だったのだ。裸の赤ん坊がカーテンのような布に包まれ、頻りに産声をあげていた。
そう、恐らくそれは産声だ。この子は産まれて間もない、芽吹いたばかりの命なのである。恐る恐る布をめくると、まだへその緒がくっついていた。母体から切り離されたばかりだという証が、くっきりと残っている。
そして、その子は男の子だと示すものがついていた。マリア像の下から男の赤ん坊、それも産まれたばかりの新生児。