聖女の愛した花園
そんな中、比較的冷静な姫宮さまが震えながらも部屋から出て行こうとする。
「だ、誰か……大人を呼んで……」
「ダメ!」
思わず大声をあげて出て行こうとする姫宮さまを制した。私の声に驚き、ビクッと肩を震わせる姫宮さま。
「ダメです、誰にも知らせないでください」
「ど、どうして?」
「学院側はきっとこのことを揉み消すに違いありません」
「でも……」
「誰もここから出ないで。一歩も動かないで」
私の気迫に押されたのか、姫宮さまは口を噤んでその場に留まった。他の三名も元より動ける状態ではないが、私に従ってくれた。
「さゆりお姉さまをこんなお姿にした犯人は、私が必ず見つけ出します」
私は確信していた。ここに来るまでに誰にもすれ違わなかった。だがここへ来てみると、三人がいた。この寮にいたのは私を入れて四人。
つまり――、さゆりお姉さまの命を奪った犯人はこの中にいるということだ。