聖女の愛した花園
「私だって違います! 私がさゆりさまを……そんなことできるはずが……あああ」
佳乃子さまは再び両手で顔を覆って泣きじゃくる。
「私も違うし、この中に犯人がいると疑いたくない。ねぇ透、本当に大人に知らせないの?」
やはり他の二人と比べて落ち着いている姫宮さまはじっと私の目を見つめる。
「知らせません。そんなことをしたら学院はこの事件を揉み消すかもしれません」
「揉み消すって、まさか」
「由緒ある学院で殺人事件が起きたなどと報道されたらリリスの名に傷がつきます。最悪なかったことにするかもしれない。そんなことは許しません、絶対に犯人を見つけ出してみせます」
私の気迫に押されたのか、全員黙り込んでしまった。
しばらく沈黙が続いた後、意外にも筒見さんがスッと手を挙げる。
「私も協力します」
「流奈! あなたまで何を言い出すの!」
笠吹さまは信じられないと言わんばかりだった。
「蘭華お姉さま、私もこの中に犯人がいるとは思いたくないですし、お姉さまを疑いたくもありません。ですが、それ以上に真実が知りたいです」
筒見さんの瞳には決意が見えた。