聖女の愛した花園


「雛森さんが言うように揉み消されるかもしれないのだとしたら、それは絶対に阻止したい。お姉さまから寮長を継ぐ者として、見過ごすわけにはいきません」
「流奈……」

 笠吹さまは筒見さんの勢いに気圧される。筒見さんは私に向き直った。

「そういうわけだから、私も協力する」
「……ありがとう」
「だけどこれだけは覚えておいて。この中に犯人がいるかもしれないというなら、それはあなたである可能性もあるということを」
「ええ、わかってる」
「わ、私もやります……!」

 佳乃子さまが目を真っ赤に腫らして涙声になりながら、はっきりと言った。

「私も知りたい……何故さゆりさまがこんな目に遭わなければならないのか」
「ああ、もう! わかったわよっ」

 グシャグシャと頭を掻きむしりながら、笠吹さまも立ち上がる。

「妹たちに遅れを取るわけにはいかないわ。笠吹蘭華の名にかけて犯人を見つけ出してやるわよ」

 それから姫宮さまの方を見た。

「渚、あなたもやるでしょう?」
「もちろん、やるよ。正直まだ戸惑っているけど、私も真実が知りたい」
「決まりね」


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