聖女の愛した花園


「なるほど。ちなみに私は筒見さんを見かけた後、礼拝堂にいました。猫の声が聞こえて中で探していたんですが、同じく悲鳴を聞きつけて飛んできたという感じです」

 礼拝堂で見たもののことは話さなかった。これは直感だけれど、多分あの子はこの事件に関係があるのではないかと思っている。だけどまだ確証はないから、ひとまず黙っておくことにした。

 次に話し始めたのは笠吹さまだった。

「じゃあ次は私ね。私が課外授業に行かなかった理由は先日お父様と同じオペラを観劇したばかりだったから。同じものを観ても仕方ないでしょ? 次の寮長会合の会議資料をまとめておきたかったしね」
「お姉さま、言ってくだされば私がやりましたのに」
「いいのよ、これは自分でまとめたかったから。とにかくずっと自室にいたわ」
「一度も部屋から出られなかったのですか?」

 笠吹さまは頷く。

「ええ。その後ちょっと休憩しようと思って寮を出た時に佳乃子さんの悲鳴を聞いたわ」
「それは何時頃ですか?」
「寮を出たのは十五時くらいだったかしら」
「あっ」

 急に何か思い出したように姫宮さまが声をあげる。


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