聖女の愛した花園
「薬を飲んで部屋で休んでいました。薬の副作用で眠くなってしまい、一時間程寝ておりました。目が覚めたらだいぶ楽になっていました。それからふと思ったんです、さゆりさんも課外授業を欠席されていたなって。お加減はいかがかしらと気になり、お部屋を訪ねてみることにしたんです」
「そうしたら……あの惨状だったということですか」
「はい……」
佳乃子さまの瞳に再び涙が滲み出す。
「つまり誰もさゆりさんには会っていないのね」
笠吹さまが腕を組みながら思案顔を浮かべる。
「いつ襲われたのかしら」
「少なくとも午前中はご無事だったと思います」
そう言ったのは筒見さんだった。
「午前の授業が終わってからさゆりさまのメイドさんに会ったんです。お姉さまと一緒にいる時に何度か会っていましたから挨拶をしたんですけど、この日はもうお帰りになると仰っていました」
さゆりお姉さまはずっと体調を崩されていたので白雪家から一人メイドがお世話に来ていた。私も何度かお話させてもらったことがある。
「その時さゆりさまのご様子はいかがですかと訊ねたら、今日は比較的お元気だと仰っていたのでその時は生きておられたと思います」