聖女の愛した花園


「なるほど。つまりさゆりが殺されたのは少なくとも午後。みんなが課外授業に向かった十三時以降ということかな」

 姫宮さまが言う。

 私は口元に指を当て、考え込む仕草をしてこれまでの流れを整理してみることにした。午前中の授業の間は恐らく生きていた。授業があったしここは間違いないだろう。犯行が起こったのは生徒や教師が出払った十三時半以降。十四時半頃に姫宮さまがお姉さまを訪ねたと言っていたが、恐らくその前に誰かと会っていた可能性がある。

 何故ならティーカップが二つ置いてあったからだ。しかもあのティーカップはさゆりお姉さまが「大切な人と会う時に使うもの」だと仰っていたお気に入りのカップである。つまり会っていた人物はさゆりお姉さまにとって親しい人物だったということになる。

 それを踏まえると一番濃厚なのは佳乃子さまだ。姫宮さまがお姉さまの部屋から戻る時にすれ違っているし、保健室に行ったというのは嘘だった可能性がある。


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