聖女の愛した花園
いや、それならば姫宮さまもだ。会っていないと言っていたが、本当は会っていたのではないだろうか。相棒として弓道部でずっと切磋琢磨していた仲だし、あのカップを使っても何も不思議ではない。
笠吹さまと筒見さんは会っていないどころか部屋にも近づいていないということだったが、実際はどうだろう。笠吹さまはお姉さまを一方的に敵視していたが、お姉さまはそうでもなかった。むしろ何かと突っかかる笠吹さまとのやり取りを楽しんでいたように思える。
筒見さんはこの中で一番さゆりお姉さまと直接的な関わりが薄い。だが白百合寮の方の方に向かっていたところが気になる。彼女を見かけたのは十五時頃だった。明確な犯行時刻がわからない分、可能性はあると思う。
それに筒見さんが真っ先に捜査に賛同してくれたことが意外だった。次期寮長としての責任感と正義感からなのか、それとも別の目的があるのか。
全員のことが疑わしく思えてしまう。それと同時にこの場にいる四人全員がさゆりお姉さまの大切な人になるのかと思うと、煮え切らない思いがふつふつと沸き起こる。今はそんなことを考えている場合ではないというのに。