聖女の愛した花園
* * *
「……それでさゆりお姉さまに見つかり、口封じのために殺したの?」
なるべく冷静でいようと思っているけれど、声に怒りが隠せていない。筒見さんはキッパリと答えた。
「いいえ、私じゃない」
「復讐のためにお姉さまを殺したんでしょう!」
「違う!」
私が怒鳴ると筒見さんも怒鳴り返す。
「確かに私はさゆりに復讐したいと思っていた。でも殺してない!」
ゴミ箱から見つけたのは、筒見流奈に関する素行調査書とDNA鑑定の結果書だった。筒見流奈と白雪正邦が親子であるという証明と、彼女の生い立ちがしっかりと書かれていた。そして本人もその事実を認めた。
筒見さんはさゆりお姉さまの異母妹になり、お姉さまへの復讐の機会を狙っていたのだ。
「酷いです! 流奈さんが、さゆりさんを……っ」
佳乃子さまも非難の視線を筒見さんに向けた。筒見さんは顔を真っ赤にした。
「だから違うって言ってるでしょう! 確かに私はさゆりの部屋に行った。でもその時には既に死んでいたの!」
部屋はシンと静まり返る。
「それ、本当なの?」
私は筒見さんを見つめる。彼女は頷いた。
「本当よ。私が部屋に行った時、わずかにドアが開いていた。迷ったけど、さゆりを心配するフリをして中に入った。その時にはもう倒れていたの」
「どうしてそれを先に言わなかったの?」
「言ったら私が疑われるじゃない! 今みたいに!」