聖女の愛した花園
さゆりと初めて出会ったのは白雪財閥主催のパーティーに家族で出席した時だった。ピンクのワンピースドレスを着せられ、煌びやかなパーティー会場にウキウキしながら行ったらさゆりを紹介された。
さゆりは純白のワンピースに純白のリボンで結いてツインテールにしていた。私のドレスの方がフリルやスパンコールで華やかだったのに、何故か装飾がないシンプルなさゆりのドレスの方がかわいく見えた。着ているさゆりがかわいいから、本物のお姫様だからだと八歳にして理解した。
「よろしくね、らんかちゃん」
「……よろしくね」
だけど何故か悔しいとか羨ましいとかそういう気持ちにはならなかった。ただ目の前の美少女に見惚れた。この子と仲良くなりたい、友達になりたいと思った。
「さゆちゃん、あそぼ!」
それから私はよくさゆりの家に遊びに行った。さゆりはいつも笑顔で出迎えてくれた。
「うん、あそびましょう」
「見てさゆちゃん、らんかもさゆちゃんとおんなじお洋服買ってもらったの」
「ほんとだ。おそろいね」
「おそろい!」
さゆりは天使だった。優しくてかわいくて大好きだった。
「さゆちゃんのおうちは何してるの?」
「何って?」
「らんかのうちはね、お医者さんなの。パパもママもお医者さんなんだ」
「すごい!」
「さゆちゃんは?」
「んー、わたしはよくわからない。お父さまたちのお仕事、むつかしいから」
「そっかぁ」