氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
そして、父は深く、深くうなだれたまま、長い沈黙の末に口を開いた。
「……ヴァルクレア帝国に、婚姻の了承を下そう」
「父上……!」
私は息をのんだ。
父は私の方を向き、涙を堪えた顔で静かに言った。
「すまぬ、アナベル……。お前を守れぬ、無力な父を……どうか、許してくれ……」
その言葉に、私もこらえきれず、唇を噛んだ。
でも、私は頷いた。
これは、私が選んだ道。
愛がなくてもいい――せめて、誰かを守れるのなら。
そして――和平調印式の日。
私は初めて、帝国皇帝ルシウス・ヴァルクレアと対面した。
玉座に座るその人は、まさに“冷徹”という言葉を体現した存在だった。
背筋を伸ばし、隙ひとつない姿勢。氷のように冷たい灰色の瞳が、周囲を一瞥するだけで空気が張り詰めた。
「隣国ルナリエの平和は、ヴァルクレア帝国が保証する。」
低く響くその声に、私は背筋が凍るような感覚を覚えた。
「……ヴァルクレア帝国に、婚姻の了承を下そう」
「父上……!」
私は息をのんだ。
父は私の方を向き、涙を堪えた顔で静かに言った。
「すまぬ、アナベル……。お前を守れぬ、無力な父を……どうか、許してくれ……」
その言葉に、私もこらえきれず、唇を噛んだ。
でも、私は頷いた。
これは、私が選んだ道。
愛がなくてもいい――せめて、誰かを守れるのなら。
そして――和平調印式の日。
私は初めて、帝国皇帝ルシウス・ヴァルクレアと対面した。
玉座に座るその人は、まさに“冷徹”という言葉を体現した存在だった。
背筋を伸ばし、隙ひとつない姿勢。氷のように冷たい灰色の瞳が、周囲を一瞥するだけで空気が張り詰めた。
「隣国ルナリエの平和は、ヴァルクレア帝国が保証する。」
低く響くその声に、私は背筋が凍るような感覚を覚えた。