氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
「陛下……?」

「俺の側に一生いるんだ」

その言葉が、静かに、けれど深く胸を打つ。

形式でも、国のためでもなく――

まるで、ひとりの男として、私に向けてくれた言葉のように聞こえた。

「……俺の妻になってくれ。一生、俺の隣にいるんだ。」

彼の目に、偽りはなかった。

その瞳に映る自分を見て、私は初めて、心の底から思った。

この人となら、歩いていけるかもしれない――と。

「一生、陛下のお側にいて、支えることを誓います……」

声はかすかに震えていたけれど、私ははっきりと口にした。

これが――私の誓い。

この人の隣にいると、自分で決めたのだ。

「では、誓いのキスを。」

神官の言葉に、頭が真っ白になった。

キ、キス……!?

それって、今ここで!? こんな大勢の前で!?

「そ、そんな……したことないのに……」

小さく呟いたつもりが、隣の彼には聞こえてしまったようだった。

ルシウス陛下が、私にだけ聞こえる声で、くすりと笑う。
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