氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
「あれ……?」

私は、真顔で聞き返してしまった。

ルシウス陛下は一瞬、驚いたような顔をした後――

「……マジか、おまえ……」

と、わずかに笑いを堪えるように目を細めた。

その表情は、いつもの冷たい皇帝とはまるで違っていて――

私はますます、どうしていいか分からなくなっていた。

「初めてか?」

ルシウス陛下が、低い声で尋ねてくる。

私はうつむきながら、小さく頷いた。

「……初夜を迎えるのは、初めてです。」

「……いや、そりゃそうだろうが……」

陛下は軽く額に手をやって、ため息をついた。

何か困っているような、でもどこか微笑ましそうな表情だった。

「何か……聞いてないのか」

「……何かって、何ですか?」

私が戸惑っていると、次の瞬間――

ふわり、と肩にかけていた寝着が引き剥がされた。

「きゃっ……!」

一気に素肌が露わになり、私は思わず両腕で胸元を隠した。
< 25 / 62 >

この作品をシェア

pagetop