氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
「もう……トロトロだな」

低く囁かれたその言葉に、顔が熱くなった。

恥ずかしさに身を縮めたそのとき――彼の体が、私と重なった。

「っ……!」

瞬間、鋭い痛みが走る。

思わず息を止めて、ぎゅっと目を閉じた。

「大丈夫か……?」

耳元に届いた声は思いのほか優しくて、私は小さく首を振った。

「ううん……少し……だけ、痛い。」

「少しの辛抱だ。」

そう言うと、彼がゆっくりと動き始めた。

痛みの奥に、次第にじわじわと広がる熱がやってくる。

「……あ……っ」

思わず声が漏れた。

動くたびに、身体が甘く震える。

知らなかった感覚が、胸の奥からあふれてくる。

「ルシウス……」

名前を呼ぶと、彼がぴたりと動きを止めた。

「……名前、呼ばれると……もっとしたくなるな。」

その声は少し掠れていて、けれどどこまでも甘く響いた。
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