氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
「でも、それは……っ」

言いかけた言葉を遮るように、ルシウスがすっと距離を詰めてくる。

「“でも”も、“くそ”もない。」

低く囁かれたその声に、思わず身体が硬直した。

次の瞬間――

「んっ……!」

彼の唇が、私の口元を塞いだ。

冷たい唇ではなかった。

むしろ熱く、情熱がこもっていて、私はあっという間に押し流されていく。

「誰を抱こうが、誰を妻にしようが――決めるのは、俺だ」

耳元で囁かれるその声に、背筋がぞくりとした。

そしてそのまま、私の背を押し、柔らかな寝台に押し倒される。

「……今夜も、君だけだ。」

彼の熱が、また私を包み込んでいく。

肌をすべる指先は熱を帯び、触れられるたびに、身体がわずかに跳ねる。

ルシウスの吐息が耳元に触れ、熱がじわじわと部屋中に満ちていった。

欲情だけが、この空間を支配している。

重なった視線、近すぎる距離――それだけで心が揺れる。

「……はぁ……」
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