氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
「……はぁぁぁ……」

ルシウスが動くたびに、甘い快感が波のように押し寄せてくる。

声を殺そうとしても、どうしても抑えきれなくて、唇の隙間から吐息が漏れる。

(ああ……これが、“子どもを作る”ということ……)

うすうす、気づいてはいた。

この行為が“義務”であることも――皇后としての役割であることも。

でも、それだけじゃない感情が、確かに私の中に芽生えていた。

「……子ども、作らないと……」

そう呟いた私に、ルシウスがそっと顔を上げ、首を横に振った。

「それだけじゃない。」

彼は、私の胸元に顔を埋め、静かに呼吸を整えるように私に寄り添った。

「君を抱いていると、自信が湧く。」

「……自信?」

意外な言葉に、私はそっと彼を見下ろす。

「こんな綺麗な女を抱けるなんてな。……男として、誇りだろ。」

その言葉は、思いのほか不器用で、でも真っ直ぐで。

冷徹と呼ばれた皇帝の、心の奥がちらりと覗いた気がした。
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