氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
見上げてくる彼の瞳に、私が映っていた。

その目に、愛しさと熱が宿っていて――私は、思わず息を止めた。

「……皇帝で、よかった」

そう言って、彼は再び私の奥へと深く沈み込んでくる。

熱が、ゆっくりと、確かな形で私の中に注がれていくのを感じる。

今夜も、私はこの男のすべてを受け入れた。

愛も欲も、戸惑いも、全部――彼の熱の中で、溶かされていった。

翌朝――

私は温かな何かに包まれて目を覚ました。

「……えっ」

ゆっくり目を開けると、そこにはルシウスの寝顔があった。

そして、自分の頭は彼の腕の中にすっぽりと収まっていて――

「……ずっと、腕枕してくれてたの?」

囁くように尋ねると、彼は目を閉じたまま、ふっと小さく笑った。

「……ああ」

彼は、まだ裸のまま。

いつもの軍服は着ていない。

皇帝らしい冷たい威圧感も、今はそこになかった。
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