氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
しばらくして――
私は、朝になるたびに咳き込むようになっていた。
喉の奥がひりつき、微熱のようなだるさもある。
「……風邪か。」
ルシウスは軍服の襟を整えながら、私を一瞥した。
その瞳に、少しだけ心配そうな色が浮かんだ気がした。
「医者を呼ぶ。」
「……あ、大丈夫。いいのよ。」
私はすぐに首を振った。
「昔からなの。環境が変わると、よく風邪を引くの。きっとすぐに治るから……」
そう言って笑ってみせたけれど、本当は、身体の奥が少し重かった。
慣れない空気、慣れない人々、そして――慣れない愛。
知らず知らずのうちに、心も体も緊張していたのかもしれない。
「……無理するな。」
ルシウスはそれだけを言うと、軍靴の音を残して扉の向こうへと去っていった。
静まり返る寝室。
重たい空気だけが残された。
相変わらず――彼が優しいのは、夜のベッドの中だけ。
私は、朝になるたびに咳き込むようになっていた。
喉の奥がひりつき、微熱のようなだるさもある。
「……風邪か。」
ルシウスは軍服の襟を整えながら、私を一瞥した。
その瞳に、少しだけ心配そうな色が浮かんだ気がした。
「医者を呼ぶ。」
「……あ、大丈夫。いいのよ。」
私はすぐに首を振った。
「昔からなの。環境が変わると、よく風邪を引くの。きっとすぐに治るから……」
そう言って笑ってみせたけれど、本当は、身体の奥が少し重かった。
慣れない空気、慣れない人々、そして――慣れない愛。
知らず知らずのうちに、心も体も緊張していたのかもしれない。
「……無理するな。」
ルシウスはそれだけを言うと、軍靴の音を残して扉の向こうへと去っていった。
静まり返る寝室。
重たい空気だけが残された。
相変わらず――彼が優しいのは、夜のベッドの中だけ。