愛しのマイガール
天城さんと雫さん。その間に咲くように笑う紬ちゃん。ここにあるのは、私が知らなかった“完成された愛のかたち”だった。
交わされる何気ない言葉、ふとした仕草——そのひとつひとつに、積み重ねた時間と、揺るがない信頼が滲んでいた。
雫さんの声は、ちゃんと天城さんに届いている。
天城さんの手は、迷いなくふたりを包み込んでいる。
ただ仲がいいとか、相性がいいとか、そういうものじゃない。この人たちも、きっとすれ違って、ぶつかって、泣いた夜があったはずだ。
それでも手放さなかった。何度も確かめ合って、今こうして、隣に立っている。
そんなふうに思ったら、胸の奥がふっと熱くなった。
(いいなあ……)
こんなふうに、心から信じ合える人が隣にいるなんて。言葉にしなくても伝わるものがあって、手を伸ばせば、ちゃんとそこに大事な人がいる。
私も、こんなふうに誰かの隣に立てるだろうか。
支えたり、支えられたりしながら、時間を重ねていくことが──私にも、できるのかな。
そう思ったとき、それを隣にいる姿を思い描いてしまうのは……ただひとり。
(ハルちゃん……)
いつの間にか、彼の姿が心の中に浮かんでいた。
それが“恋”だとすぐに名付けてしまうのは、まだこわい。
けれど、今まで怖くてずっとしまい込んできた感情が、私の中で少しずつ輪郭を持ち始めている気がした。
——それでも。
目の前にある、この“家族”のかたちは……いつか、私も辿りつきたい未来だった。