愛しのマイガール
ハルちゃんは何も言わなかった。ただ静かに耳を傾けていた。
「私も、そうなりたいって思った。ハルちゃんの後ろに隠れるんじゃなくて、ちゃんと隣に立てるようになりたいって……」
言葉は、自分でも驚くほど自然にこぼれ落ちていた。気づけば止まらなくて、口にしてはじめて、自分でもその想いの輪郭をなぞるような、不思議な感覚だった。
「今の私はハルちゃんに甘えてばかりで……だから、倒れた時、情けなかった。自分がすごく小さく思えて……」
声が少し震えた。思い出すと、あの孤独と焦燥が、まだ胸の奥で疼いていた。
「だから、天城さんたちが羨ましかった。同じ目線で思い合ってるのが、ちゃんと見えたから……」
ハルちゃんが、ゆっくりとこちらを向いた。
その瞳に映っていたのは、夕暮れに染まる空だったのか、それとも……私の言葉だったのか。
「……ごめんな、るり」
ぽつりと落ちたその声は、とても静かだった。
「俺が悪いんだ。守ってるつもりで、逆に君に荷を背負わせて、負担をかけて……。それでも頑張ろうとする君が、俺の元から離れていくんじゃないかって、ずっと焦ってた」
その瞳の奥に、ほんの少し痛みがにじんでいた。
「……でも、ようやくわかった。俺が一番望んでるのは、君が君らしく笑っていてくれることだって」