愛しのマイガール
ハルちゃんはさらりと、まるで水を打ったような声で言う。
不意に、胸がきゅっとなった。それは、かつての憧れとは違う、今の私だけが知っている、ハルちゃんの声音だった。
「俺、るりとこうしてる時間がすごく好きなんだ」
「……ご飯食べてるだけだよ?」
「そうだよ。けど、一緒に食事してるだけで幸せに思える相手って、そういないだろ」
「………」
「るりとは何気ない時間の中でさえ、幸せを感じるんだ」
その目は、まっすぐに私を見つめていて、私はなぜか視線を逸らせなくなった。
「たとえば、毎日こうやって隣に座って、同じものを食べて、他愛ないこと話して……」
一瞬、息が止まった。
「こういう2人だけの時間を、もっと増やしたいって思ってる」
言葉の温度が、心の奥にじんわりと届いていく。
彼の瞳に映るのは、今の私。過去の幻じゃなくて、ちゃんと、今ここにいる私だった。
「……ハルちゃんは、本当に私を甘やかすのが上手だね」
「これは甘やかしじゃなくて、口説いてるんだけどな」
「…っ」