愛しのマイガール

そう言い切ってから、俺は少しだけ目を伏せた。

とはいえ、このまま突き進むだけじゃ、ただの自己満足になる。るりの気持ちを、何より大事にしたい。

「……彼女は、自分の意思で“月城の仕事を見てみたい”って言った」

天城は黙って聞いている。
感情を挟まない男だ。だからこそ、余計なことを言わず俺の言葉を正確に理解してくれる。

「今のまま“月城の外の人間”だと、好き勝手に攻撃される。だから俺は、彼女を本当の意味で月城の人間として扱う枠を用意するつもりだ」

「どうするつもりだ」

「広報プロジェクトの協力者として関わってもらう。一番自然で、守りやすい立場だと思っている」

俺は視線を少し落とし、言葉を選ぶように続けた。

「ただし強制はしない。人目に触れる以上、どうしたって批判は付きまとう。……決めるのは彼女だ」

拳を軽く握り、静かにテーブルへ置いた。

「るりに話す。あくまで外部協力の立場として、負担を最小限に。関わるかどうかの判断は、彼女に委ねる。その上で明日の幹部会議で、その案を正式に提出する」

言い切ったあと、 目を上げた。
天城は資料に目を落としながら、静かに答えた。

「……なら、会議用資料の文面と説明内容はこちらで確認しておく。契約書も、法的保護を優先して数案準備する」

天城の言葉に「頼む」とだけ言った。


「で、九条側への対策は?」

そう言い視線だけを流すと、天城が資料をめくりつつ答えた。

「動きは見えてきてる。九条本人の名前は出てないが、記者との接触や社交会での情報のやり取りでの資金の流れから裏は取れるはずだ」

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